木工房ひのかわ

木工房ひのかわのこだわりと哲学
ひのかわ日記
先日(9/29)熊日新聞に掲載されました。
「くまもと工芸四季ごよみ」を執筆されている吉村尚子様の執筆です。


20160929熊日夕刊掲載 工芸四季ごよみ

くまもと工芸四季ごよみより

百年先も愛着と味わい

黄金色の頭を垂れた稲穂が収穫の時を迎える初秋のこのころ。木のぬくもりを求めて、八代郡氷川町宮原の「有限会社フルシマ家具工芸 木工房ひのかわ」を訪ねました。1942年に創業し、現在は2代目・古島隆さん(62)と3代目・古島隆一さん(35)が中心となり、オーダー家具の製作と家具のリノベーション(修理・再生)を行っています。
86年、県伝統的工芸品に指定。90年には県伝統工芸館と熊日が主催する「第8回くらしの工芸展」でグランプリを受賞するなど、隆さんの作品は多くの工芸展や美術展で受賞を果たしています。依頼を受け、99年の熊本国体で天皇皇后両陛下が掛けられた椅子や、歌手の八代亜紀さんに贈るイーゼル(画架)の製作なども手掛けました。
 家具の製作は、ナラ、タモ、桜、楠、クルミなどを丸太の状態から吟味し、選ぶ作業から始まります。木の性質を見極め、持ち味を生かせるよう“適材適所”を考えて製材した無垢材を、「送りアリ組み」という接合技法で美しく堅固な家具に仕上げます。
 「私たちが作っているのは、使ううちに愛着が湧き、味わいが深まる家族のような存在の家具。無垢材の家具は手入れをすることで100年先の孫の代まで使えます。家具と共にものを大事に使う姿勢も次世代に受け継いでほしいですね」と隆さん。注文や修理で生まれ変わった家具に対するお客さんの感想や喜びなどが、店内やホームページで公開されています。「ライフスタイルに合わせて、丈夫で使い勝手が良く、長く美しく使える家具を製作しています。しかし、それが終わりではなく、お渡ししてからが本当のスタートだと考えています。傷がついたら削って美しく整え、時に傷を思い出として生かすデザインを施すなど、家具を長く心地よく使い切っていただくような仕事をしたいです」と3代目・隆一さん。
 来年1月末に初めての親子作品展を県伝統工芸館で開催予定。隆さんの深い知識と経験、隆一さんの感性と情報発信力が融合して、さらに時代に求められる家具が生まれ、物を大切に使い切る姿勢と共に、次世代へと引き継がれていくことを願います。

風土&フードデザインYOSHIMURA代表、熊本市在住












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